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パッケージの変更・拡張の日程をあてにして、ビジネスの革新計画を立てるときは注意を要する。
予定より半年から1年遅れる可能性を見込んでおくべきである。
業務改革活動を拘束する変更・拡張の困難ベンダーのパッケージ変更・拡張のペースはユーザの業務改革のそれとは違う。
日本企業の長所は現場の人達が自発的に業務の改善・改革に取り組むことである。
ところが、パッケージを導入すると、パッケージに合わせることが強調されるため、改善・改革の内容に大幅な制約が生じる。
業務改革と変更・拡張が困難なタイプのERPパッケージ導入を組み合わせないよう、注意が必要である。
ERPパッケージに合わせて業務を改革するとき、業務担当者達の自主性は著しく阻害される。
これまで蓄積してきた業務ノウハウを捨てて、パッケージの機能を学び直さなければならない。
導入業者によっては、パッケージの内部情報を公開しないことがある。
そうなると、現場の業務担当者達は学ぶべきことが見えず、困ってしまう。
さらに、パッケージ内部が分かっていないと、利用者側でどのような配慮を業務運用時に加えればよいか考えにくい。
実際、パッケージ導入中の企業を観察すると、業務担当者達は「トップの指示だから仕方がない」と業務改革をあきらめてしまっているケースがある。
業務改革と結びつかない導入プロセスソフトウェア開発とパッケージ導入の混同ある有力なパッケージの導入プロセスは、ソフトウェア開発用のそれに手を加えたもののように見える。
利用者達が主体になって要求分析を行い、要求が固まった後は導入業者中心に力スタマイジングあるいはチューニング作業が進む途中で利用者がパッケージを実際に使って要求の実現度を確認する「プロトタイピング」作業があるが、業務改革にかかわるものではない。
パッケージ導入に伴う利用部門の業務改革はユーザの責任である。
ビジネスの現場の人々がパッケージを理解し、自分達の責任において業務内容を変更する作業は「要求分析」の段階で行われることになっており、その後の新しい業務方法の教育とか業務切替えの準備作業は明記されていない。
先ほどの事例に見られるとおり、現有システムからデータを新システム用に変換する作業も含まれていない。
パッケージ業者と導入業者の大多数から「パッケージ導入は、ソフトウェア開発に代わるシステム構築の手段である」と見なされている。
これではコンピュータプログラムが出来上がれば、後は「ユーザの責任」とする、従来型のソフトウェア開発ビジネスと何ら変わらない。
業務改革に関するフォローは導入作業に含まれない「パッケージに合わせて業務を改革する」とか、「パッケージはりエンジニアリングの有力な手段である」と宣伝しながら、業務改革には触れていない。
業務改革は要求分析か、あるいはその前の段階から参加する「コンサルタント」の仕事とされている。
パッケージ業者や導入業者が責任を持つ部分ではない業務改革案がまとまると、その実行は「ユーザの責任」である。
費用を払ってコンサルタントを雇うか、自力で改革案を具体化するかもユーザが判断するしかない。
しかし、コンサルタントはパッケージを使用する業務改革の実現に責任を持つことはできない。
パッケージの内容がコンサルタントには公開されないことが多いし、コンサルタントの期待どおりにパッケージがカスタマイズされているかどうかチェックすることは不可能に近い。
つまるところ、ユーザが責任を持って改革に取り組むよう支援するしかない。
そうなると、パッケージ導入プロセスにユーザの参画できる程度が問題になる。
パッケージの専門家しか内容が分からない代物であれば、ユーザの参画は不可能である。
パッケージに組み込まれた業務ノウハウの流出を恐れて、パッケージの中身をユーザに開示しないなら、もっと事態は悪くなる。
業務改革とパッケージ導入のいずれが重要か経営戦略と結びつけて導入作業を進めているうちに、様々な難関に出会うであろう。
些細と思えることでも現場の人達が譲らず、導入プロジェクトは予定より遅れることが多い。
そのような状況において、パッケージ導入を決定した人達が現場の声を誤解することがある。
「つまらないことを言い立てて、彼らはパッケージ導入に反対している。
業務改革に抵抗したいからに違いない」と経営トップに報告しかねない。
このようなケースではパッケージがユーザ企業に適合していないことが多いので要注意である。
放置すると、パッケージ導入が優先され現場の意見が押しつぶされる。
パッケージ導入を優先させることは好ましくない。
例えば多角経営の製造業で、製品の種類や顧客層が異なる事業部門に対して同じパッケージを使い、同じ業務内容を採用させるなら、ほとんどの事業部の業績が悪化するであろう。
グローバル企業が事業部門の業績評価と投資戦略を適正化するために、経理や人事のパッケージを導入し、関連する業務内容を同じ方法に揃えることは有意義である。
しかし、それはパッケージそのものの意義ではない。
同じ業務内容を全事業部が採用する「業務改革」が優先する。
たとえ同一のパッケージを使わなくてもこのような業務改革は達成できる。
残念ながら、パッケージ導入に取り組む企業において、途中から導入作業が目的になってしまうケースが少なくない。
ただし、その現象は従来型の手法によるソフトウェア開発と酷似している。
見失われがちな統合の意義パッケージの一部分しか使えない統合業務パッケージの機能のすべてがユーザ企業に適合するとは限らない。
経理のように、法律で原則が定められている業務機能は多くのユーザに適合する。
また、人事管理のような融通がきく業務はパッケージに合わせることができる。
生産や販売など基幹業務では、企業固有の事情があり、適合しにくい。
雑誌のパッケージ導入の成功例を読んでいると、優良な企業が単なるソフトウェア開発の代替として部分的にパッケージを利用しているケースが目立つ。
業務内容に定型があり、道具さえあれば仕事の方法は業務担当者側で工夫できる場合にパッケージは利用しやすい。
そうでない部分で無理してパッケージを導入すると、時間と労力が掛かり、しかも業務に歪みが生じやすい。
「賢い」導入業者は統合業務パッケージを売り込みながら、実行段階では容易な部分だけ導入し、手を引く傾向がある。
全社的な業務改革を提案し、全社を騒ぎに巻き込んで予算を引き出し、楽なところだけやってお茶を濁す、と言われても致し方がないケースが目につく。
経営トップが期待した「統合」の意味は何だったのであろうか。
生産管理とか販売管理、購買業務など、企業の使命に関わるアプリケーション(MissionCriticalApplication)に関しては顧客や取引先との間の取引契約とか商習慣が個別に異なっており、パッケージが適合しにくいカスタマイズして問題が起きやすいのはこの分野である。
リエンジニアリングとか2000年問題の解決を標桟してERPパッケージ導入を開始したあとで、実はここまでしかパッケージを導入できませんと逃げられては困る。
事前にパッケージを利用する範囲を十分に検討すべきである。
部分的導入による「統合」の低下部分的導入の場合、困る現象が起きる。
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